公益財団法人池田20世紀美術館は、ニチレキ株式会社(旧 日瀝化学工業)の創設者である故池田英一氏が、個人資産を寄付して設立開館した美術館です。

所蔵作品Collection

パブロ・ピカソ
Pablo Picasso

1881~1973 スペインに生まれた20世紀美術最大の巨匠。版画、彫刻、陶器、舞台装置など、幅広い分野で活躍した。

近衛兵と鳩
1969年 油彩 195×130㎝

1969年3月20日の日付のある高さ2メートル近いこの油彩の大作は、ピカソ88歳の制作である。 老齢をまったく感じさせない、溌刺として力感あふれる表現、その旺盛な造形魂には驚くほかない。宮中警護役のこのひげ面の近衛兵と共に、金ピカの肩章に止まっている鳩は、いわば “平和”の象徴である。鳩は、ピカソの幼少時から絵の題材であり、娘の一人に“パロマ(鳩)”と命名するほど、この巨匠にとって心の安らぎだったのであろう。

サルバドール・ダリ
Salvador Dali

1904~1989 スペインの画家。フロイトの夢の精神分析から啓示を受け、独自の画境をうちだしたシュルレアリスムの奇才。

ヴィーナスと水兵
1925年 油彩 215×147.5㎝

1925年秋、ダリがバルセロナのダルマウ画廊で初の個展を開いたときの出品作の一つ。
当時、ダリは21歳、マドリードの王立美術学校の画学生だった。地中海に臨むホテルのバルコンだろうか。影法師風な水兵に抱かれて、ヴィーナスがギリシャ彫刻のような風貌で佇んでいる。港、船、雲、そしてヴィーナスと水兵の描写に、形而上絵画、未来派、キュビスム(立体派)などの影響がみられる。超現実主義(シュルレアリスム)以前のダリの青春の記念碑的な作品として興味深い。

ジョアン・ミロ
Joan Miro

1893~1983 スペインの画家。星、月、太陽、鳥、女性などを象形文字化し、天真爛漫な詩的幻想の世界を表現した。

海の前の人
1938年 油彩 65×51cm

暗緑色の空に、黄色の光線を放つ太陽と赤い月。赤い海面に、故郷カタルーニャの地図を思わせる緑の色面。何かを訴え叫んでいるような女の顔には緊迫感がある。彼女の背後に凶兆を感じさせる暗雲が広がる。この作品発表の前年、1937年のパリ万国博スペイン館に、ミロはピカソの「ゲルニカ」と並んで「刈り入れ人」(展示後、行方不明)を出品した。その作品に示した戦争の残虐に対する抗議とカタルーニャへの愛郷心が、ここに余韻として残っているようだ。