
顧客の要望に応えるため、必要な材料や工法を決めるのが技術の主な役割です。路面の状態や実現したい物性は、案件ごとに異なるので、条件に応じて最適な補修方法を提案します。施工前の調査から当日の立会い、施工後の追跡調査も行うため、道作りのプロセス全てに関わる職種です。舗装に使うアスファルトおよびアスファルト乳剤と骨材の配合は研究室で検証されたデータがあるものの、実際の現場では室内とは環境が異なるためそのデータ通りに物性が再現されない場合もあります。そのため、配合は現場で調整するなどの臨機応変さが求められます。関わる相手も幅広く、チームワークを高めていくポジションというのも特徴です。お客様はもちろん、ニチレキの全職種、さらには実施工を担当する施工会社とも密に連携を取るので、全員で1つの道路を完成させる一体感を感じられます。

一番に頼られる存在でありたいです。そのために日ごろから営業などと連絡を取り合うたびに、こちらから新しい技術提案をするようにしています。そうした心掛けの積み重ねが案件につながることもあります。以前、路面のわだち掘れを防ぐ材料が改良されたことを営業に話したところ、「ちょうど困っていた」と話が進み、路面の調査から施工まで担当させてもらいました。道路は暑さによってわだち掘れが生じやすくなるため、夏を前にその効果を実証するタイミングで、機を逃さず提案ができて嬉しかったです。すでに活用されている材料や工法は日々改良が重ねられているため、技術のことは私たちが一番詳しいと自信を持ってこちらから情報を提供し続けていくのが大切だと思います。

私のいる九州支店は、九州全域が担当エリアです。熊本の震災では、九州内の各営業所から補修依頼が入りました。しかし補修をしようにも、破損状況および度合を測るための計測車が入れない状況。そこで破損状況を人海戦術により確認し、補修を早急に進めました。私は支店に配属されたばかりで、そのときの社員の対応の早さに驚くばかりでした。補修が完了し、分断されていた道に人の往来が戻ってきたとき、私たちの仕事の意義をあらためて感じた瞬間でした。