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道はなんのためにあるのか

そこにあるのが当たり前に感じるほど、人々の暮らしと密接に結びつく道。
車が走る道路だけでなく橋梁や公園、空港など様々なシチュエーションの中で数多くのドラマを生み出しています。
それぞれ異なる4つのエピソードから、道と人との関わりと、それがどう役立っているのかを感じてください。

日々の伴走車のイメージ写真

story01日々の伴走車

家と会社の往復も15年目になる。
毎日変わらぬ道順も、意外と飽きないもので、
一人物思いにふける貴重な時間だ。

家では父親、オフィスでは課長の顔。
ただこの道を通るときだけは、
何者でもない自分になれる。

意気揚々とハンドルを切る日もあれば、
飲み込めない想いをアクセルに込める日もある。
サイドミラー越しに映るこの道はどんな日も、
私の軌跡を刻んでくれている。

角を曲がり、家までの坂道を昇っていく。
いつもと同じ音を聞きつけて、
娘が窓から手を振るのが見えた。

距離をつなぐもののイメージ写真

story02距離をつなぐもの

片道一時間のツーリングは、デートの序章。
二週間と二日ぶりに会う彼女の元へ、
僕はバイクを走らせる。

カーブを曲がり、海をまたぐ橋に差し掛かると、
右側から風が吹きぬけた。
ジャケットが大きく膨らむ。
この橋は、僕と彼女をつなぐ道だ。
アクセルグリップを握る手に、
ぐっと力を込めた。

僕たちはいつも海の向こうで会い、
海の向こうで別れる。
短い独り旅のような行き帰りに、
この道はいつでも寄り添ってくれる。

いつか彼女を後ろに乗せて一緒に帰ってくる日まで、
お世話になるだろう。
そう考えた途端、背中に彼女の温かみを感じた気がして
少し速度を落とした。

足元から伝わる愛情のイメージ写真

story03足元から伝わる愛情

家から五分の公園に寄るのが、いつものお散歩コース。
二歳になったばかりの息子は、
もうベビーカーには乗りたがらない。

遊歩道に描かれた虹の絵を、
一色ずつ確かめて歩くのが最近のお気に入りらしい。
路面は柔らかく、息子の歩みを受け止める。
急にいちょうの葉を追いかけて、転んでしまったけど、
すぐに立ち上がり、私を見て笑った。

男の子なのに泣き虫で、あやすのも一苦労。
たどたどしい足元にいつもはひやひやしているけど、
この道では少し気を緩めながら見守っていられる。

肌寒くなってきたからコートを着せようと
息子の元へ駆けていく。
道は私の足にも優しく跳ね返った。

一人、夢を頼りにのイメージ写真

story04一人、夢を頼りに

空港のターミナルビルからバスに揺られ、
出発のときを待つ飛行機の元へと向かう。
抱えた荷物越しにサッカーボールを抱きしめた。
僕は今日、ドイツ マインツへ飛び立つ。

飛行機の目の前でバスを降りると、
大量のコンテナを積んだカーゴが横を通り過ぎた。
駐機場の地面には、車輪の跡が残っている。
希望も絶望も、この先で待っている。
その跡を辿るように、自分の足を重ねた。

家族や高校のチームメイトからは、
賛同よりも、心配する声の方が多かった。
その全てが応援に聞こえた。
もう自分の答えは決まっていたから。

タラップが降ろされ、乗客が次々に乗り込んでいく。
日本の地の感触をスニーカー越しに確かめて、
左足から踏み出した。

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