公益財団法人池田20世紀美術館は、ニチレキ株式会社(旧 日瀝化学工業)の創設者である故池田英一氏が、個人資産を寄付して設立開館した美術館です。

所蔵作品Collection

マルク・シャガール
Marc Chagall

1887~1985 白ロシア(現ベラルーシ共和国)のユダヤ人居住区に生まれ、フランスで活躍。絵画だけでなく幅広い分野で、幻想的で超現実的な作風を展開した。

パレード
1970年 グアッシュ 75×56cm

人生はサーカスのようだ、と語るシャガールにとって曲芸師やバイオリン弾きや踊り子や動物たちのパレードは、愛すべき題材であった。人間の喜びも悲しみも融け合って青一色になった空間に、サーカス団はみんな無重力状態になって花やかなパレードをくりひろげている。この現実と夢とが、まざりあう不思議なパレードを演出しているのは、色彩とフォルムの愛の魔術師シャガールなのである。

アンリ・マティス
Henri Matisse

1869~1954 フランスの画家。印象派、新印象主義を経て、フォーヴィスム運動の中心的存在に。ピカソと並ぶ20世紀絵画の巨匠。

ミモザ
1949年 コラージュ 148×96.5cm

南フランス・ニースの花祭りの山車の通り道にミモザの花が匂う。マティスは、ホテル・レジナの画室でこの花を題材に切り絵(cut out)を制作した。米国のアレキサンダー・スミス・カーペット社からタペストリーの下絵を依頼されたのだ。「色紙を切り取ることは、石にフォルムを与える彫刻家の仕事に等しい。」晩年マティスは健康上の理由もあり、切り紙絵に専念した。切り紙絵は、絵画、素描、彫刻の統合とみるだけでなく、マティス芸術の全体像とみてよい。マティスにとって、それほど重要な表現手段であった。

モイーズ・キスリング
Moise Kisling

1891~1953 ポーランド生まれ。エコール・ド・パリの画家として活躍。鮮やかできれいな色彩で、異国情緒豊かで憂愁と官能に満ちた女性像を描く。

女道化師
1927年 油彩 161×113㎝

舞台を終え楽屋に戻り、ほっと一息ついている女道化師。その表情と姿から、そこはかとないメランコリー(憂愁)と孤独感が漂っている。キスリングの描く女性には、常に官能的で湿潤なぬめりを感じさせる反面、救いようのない孤愁の陰りが付きまとう。この作品は、衣裳の赤とギターの緑のような補色関係を軸に、哀愁の中に女道化師の力強い生命感が巧みに表現されており、キスリングの傑作の一つである。