2026年 当社社長インタビュー記事広告

日本経済新聞朝刊(7月24日)掲載

インタビュー記事の詳細は以下よりご確認ください。

アスファルト舗装材料や高品質な施工で日本の発展を支えてきたニチレキグループ。道路インフラの老朽化や災害の激甚化が進むなか、同社は舗装に関する「調査・診断」から「設計・提案」、材料の「製造・販売」、工事の「施工・管理」まで一貫して手がける独自のビジネスモデルで社会課題に挑む。スマートフォンとAIを活用した調査技術「GLOCAL-EYEZ(グローカルアイズ)」による予防保全への転換や、持続可能性を高める「足すテナビリティ®」製品・工法の推進など、研究開発を軸にした革新を加速させている。2027年度中に本格稼働する新拠点「つくばビッグシップ」を核とし、新中期経営計画「のびやか2030」のもとで次の成長ステージへ踏み出す同社の未来図を、小幡学社長が詳しく語る。

アスファルトや道路舗装と聞いてすぐに興味を持ってくださる方は、そう多くはないかもしれません。でも、道路は私たちの暮らしに想像以上に深く関わっています。物流を支えるトラックが行き交う道路、病院へ向かう救急車が走る道路、子どもたちが毎日歩く道路、そのすべてが、私たちの事業のフィールドです。

1943年の創業以来、私たちニチレキグループは日本の社会課題と向き合い、「道」とともに歩んできました。戦後、米国の調査団から日本の道路の劣悪さを指摘されたことを機に、カチオン系「アスファルト乳剤」を独自に開発。工事の際に加熱が必要であったアスファルトを常温で扱えるようにしたこの技術は、日本の道路舗装の基礎を築き高度経済成長を支えました。その後も、気候や交通荷重による路面のひび割れやわだち掘れを防ぐため、アスファルトにゴムや樹脂を添加した「改質アスファルト」を相次いで生み出してきました。今日では両製品とも国内トップクラスのシェアを占めています。

私たちのビジネスモデルは、とてもユニークです。道路の「調査・診断」から「設計・提案」、材料の「製造・販売」、工事の「施工・管理」までを一貫して手がける。このビジネスモデルの中心にあるのが「研究開発」です。当社は約50名の従業員を研究開発部門に投入するなど、アスファルトを知り尽くしている集団だと思っています。私たちが目指すのは、補修したら「以前より良くなる」道路。そのために補修専用の製品・工法・機材を独自に開発し、高品質な施工を実現しています。

日本の道路の総延長は128万キロメートルにも及びます。高度経済成長期に整備された道路インフラの多くが建設から50年以上が経過し、老朽化が進んでいます。また、自然災害の激甚化・頻発化も相まって、インフラのメンテナンスのニーズは高まっています。そのような状況を受け、国は2026年度から事業規模20兆円強の「第1次国土強靱化実施中期計画」をスタートさせました。緊急輸送道路等の補修については定量的な目標が示され、今後5年間での進捗が期待されます。

一方で建設業界では働き手不足が深刻化し、需要と供給のミスマッチが起きています。限られた労働力のなかで効率的にメンテナンスするためには、すべての道路を同じ基準で補修するのではなく、メリハリをつけることが必要だと考えています。都市部の幹線道路、地方の生活道路、それぞれの地域の実情に合わせた補修方法で、最適解を提供することが重要です。

その基盤となるのが、路面状況の日常的な点検です。私たちが開発した調査技術「GLOCAL-EYEZ」は、一般車両に取り付けたスマートフォンで道路を撮影するだけで、ひび割れやわだち掘れをAIが自動解析します。かつては大型車両が必要だった調査を、ほぼ同等の精度で行うことが可能になり、コストを劇的に削減したことで、多くの自治体で導入が相次いでいます。この技術で「壊れてから直す」から「壊れる前に壊れにくくする」予防保全へと転換し、ライフサイクルコストの低減と持続可能な道路インフラの維持管理に貢献します。

2026年度から新たな中期経営計画「のびやか2030」をスタートさせました。前中期経営計画「しなやか2025」で播いてきた種を大きく成長させる5年間です。「顧客基盤の強化」「組織力の強化」「つくばビッグシップによる事業基盤の強化」「サプライチェーン・マネジメントの高度化」「経営基盤の強化」という5つの重点施策の推進により、業績を向上させることはもちろん、すべてのステークホルダーの皆様に安心を届けるという「創業100年 将来ビジョン」の実現に向けて大きく前進したいと考えています。

「のびやか2030」の重点施策の核ともいえるのが環境配慮型の生産・物流拠点「つくばビッグシップ」です。2027年度中の本格稼働を目指し茨城県つくばみらい市に建設中です。すでに建物は2026年3月に完成し、これから施設内の設備を整備していきます。40年以上稼働してきた主力工場の老朽化や環境配慮への要請に対応した新たな設備をつくるという、長年温めてきた大きな決断でした。

つくばビッグシップは単なる生産拠点ではありません。①DXを駆使した最新鋭設備による生産能力の向上および品質管理の徹底、②さらなるサプライチェーンの強化、③高付加価値製品の開発・製造、④コントロールセンター機能による物流車両や工事機材の稼働効率化、⑤首都圏の工事センター機能による事業拡大、⑥主要拠点の分散化による有事への対応力強化、⑦情報センター機能に基づく提案力の向上などの機能を持つ、まさに当社の革新の象徴です。特に高付加価値製品の製造能力の増強は、当社の収益構造を大きく変える力を持っています。

私たちは「足すテナビリティ®という概念を提唱しています。従来の技術に「長寿命化」「リサイクル」「中温化」などの機能をプラスし、道路の持続可能性を高める思想です。つくばビッグシップでは、例えば、以前よりも舗装材の製造温度を下げることでCO₂排出量の削減に貢献するとともに、長寿命化にも寄与する製品などを製造します。こうした環境配慮型製品・工法は、道路の管理におけるライフサイクルコストの削減にもつながります。

私たちのミッションは、社会を支える根幹である道路を高い技術力で守り続けることです。ニチレキグループでは、今すぐに自分の成果にならなくても将来の誰かのために挑戦し続けるという、基本理念「種播き精神」が浸透しています。汗を流して一生懸命に種を播く。その芽がいつどこで実るかは分からなくても播くことをやめない。そのマインドが私たちの企業文化の根底に創業以来ずっと流れています。「道」創りを通して日本全土の隅々にまで安全・安心を届けたい。その思いを胸にこれからも歩み続けます。

もっとニチレキ

「種を播き、水をやり、花を咲かせて実らせる」。これがニチレキグループの基本理念であり、企業文化だ。創業者である池田英一の「種を播け」という詩がもとになっている。そのなかには「たとえ、自分がとらなくても」という一節が登場する。「共に働く人たちや未来の人々も含めたすべてのステークホルダーに実りが行き渡るよう、皆でがんばろうという意味だと、私は解釈しています」(小幡氏)

ニチレキグループでは一般の道路のみならず、公園、空港や港湾、防衛施設といった周辺領域にも事業が広がりつつある。例えば、公園の遊歩道などに使われる「アスウッド舗装」は常温施工によるウッドチップ舗装。間伐材などを燃やさずに利用することで、CO₂を大気中に戻さず固定化する効果が得られる。港湾に使われる改質アスファルト「スーパーコンテナファルト」は、重荷重に耐え、以前よりも舗装材の製造温度を低減することでCO₂の排出量削減にもつながる。

配当については、2026年度も5円増配の1株当たり85円を予定している。中期経営計画「のびやか2030」の期間中もさらなる増配を目指す。「つくばビッグシップが本格稼働する2027年度以降、キャッシュフロー創出力はさらに強まります。ぜひ長期的な目線で見守ってください」(小幡氏)

 

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