コーポレート
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
ニチレキグループでは、全ての経営計画は企業理念を基本として遂行しています。そのため、ニチレキグループの事業に適したコーポレート・ガバナンスの仕組みを整え、不断に点検を行い、さらなる充実を図ることで、経営の健全性、透明性と効率性を追求しています。
コーポレートガバナンス・コードへの対応
ニチレキは、株式会社東京証券取引所が定めた「コーポレートガバナンス・コード」を広く社会からの要請・期待であると捉えており、ニチレキグループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するために、企業経営の中心に据えて事業活動を行っていきたいと考えています。 なお、コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示を行うため、ニチレキは、東京証券取引所に対して「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を提出しています。 同報告書の記載要領が「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」/「株主との対話の推進と開示について」(2023年3月31日公表、株式会社東京証券取引所上場部)を受けて改訂されたため、ニチレキは、同報告書に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」および「株主との対話の実施状況等」についての記述を加え、更新・再提出しています。
【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】
ニチレキは、中期経営計画『しなやか2025』において、相応に高い資本効率を維持することを目指し、ROIC(投下資本利益率)8.0%以上、ROA(総資産当期純利益率)6.0%以上を経営数値目標としています。これらの数値目標につきましては、各種投資家アンケートを参照しつつ、CAPM(資本資産価格モデル)等を活用して株主資本コストを把握し、WACC(負債・株式加重平均資本コスト)を資本コストとみなして設定しました。 計画期間中は、投資戦略室にて定期的に資本コストの再計算を行い、見直しの必要性の有無等をチェックする体制としています。
【株主との対話の実施状況等】
ニチレキでは、株主や投資家との対話の充実を図るため、適宜、個別の問い合わせ等に応じるほか、アナリストや機関投資家への情報提供の場としての決算説明会、個人投資家向けのオンラインセミナーを開催し、当社ウェブサイトやIR支援会社が運営するウェブサイト上で動画や資料を閲覧することができるようにしています。
コーポレート・ガバナンス体制
ニチレキは、監査役(監査役会)設置会社です。社外監査役2名を含む監査役4名が公正かつ客観的な独立の立場から取締役の業務執行を監査し、経営監視機能を十分に働かせる体制としています。また、ニチレキは、取締役会設置会社として、迅速かつ的確な業務執行の意思決定を可能にするため、ニチレキグループの事業に精通した業務執行取締役6名と、意思決定の透明性の確保と適切な経営の監督を確実に行うため、高い専門性があって独立した立場の社外取締役4名の計10名によって取締役会を構成しています。ニチレキでは、監査役による経営監視機能を基軸としつつ、従前よりもモニタリング機能を高めた取締役会において迅速かつ的確な意思決定を行うこととしています。このようなコーポレート・ガバナンス体制がニチレキの経営の健全性と効率性を高め、ニチレキグループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に有効であると判断しています。コーポレート・ガバナンス体制を以下に示します。
取締役会
現在、ニチレキの取締役会は、6名の業務執行取締役、業務執行には携わらない4名の社外取締役により構成されています。特に、会社経営全般にわたって高い知見と幅広い見識を有する社外取締役を配置することで、取締役会における多様な視点からの意思決定と経営の監督機能の充実を図っています。また、取締役会には4名の監査役(内、社外監査役2名)が出席して必要があれば意見を述べることができることとし、経営の健全性を確保しております。
ニチレキの取締役会は原則として毎月1回招集されています。取締役会には会社の経営戦略にかかわる重要な情報が適時かつ十分に報告されなければならないことから、ニチレキでは、業務執行取締役6名と上級執行役員6名で構成する経営戦略会議を原則として毎月2回開催し、業務執行の上で必要な決定や報告等を行うとともに、取締役会が効率的・効果的に運営されるよう事前に協議を行っています。
監査役会
ニチレキの監査役会は、ニチレキグループの業務に精通した監査役2名と各専門分野における豊富な経験と高い見識を有する社外監査役2名で構成しています。各監査役は、会計監査人(監査法人)と内部監査の担当部署である監査部と連携を図りながら、取締役や執行役員等の業務執行状況のほか会社の財産の状況等を厳正に監査しています。
指名報酬委員会
ニチレキでは、任意の諮問委員会として独立社外取締役を構成員の過半数(6名中4名)とする指名報酬委員会を設置しています。当委員会では、取締役会決議に先立って、役員の指名や報酬など重要事項の審議を行うこととし、こうした権能の独立性・客観性の確保を図っています。
社外役員(独立役員)
ニチレキでは、経営の透明性を高めるため、4名の社外取締役と2名の社外監査役、計6名の独立社外役員が選任されています。社外役員の独立性については、株式会社東京証券取引所が定める独立性基準に基づき、ニチレキとの人的関係、資本関係、取引関係その他の利害関係を勘案し、その有無を判断しています。
社外役員(独立役員)
役職および氏名 | 選任理由 | 出席状況 (2022年度) |
重要な兼職の状況 |
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取締役 小林 修 |
公認会計士および税理士として企業会計、税務における豊富な経験、実績と知見を有しているため。 |
取締役会 13 / 13回 (100%) |
NOK(株)社外監査役 |
取締役 渋村 晴子 |
弁護士として会社コンプライアンスをはじめ企業法務に関する専門知識と豊富な経験、実績と知見を有しているため。 |
取締役会 13 / 13回 (100%) |
(株)タムラ製作所 社外取締役 |
取締役 城處 琢也 |
弁護士として会社再建や企業法務に係る豊富な経験と実績、および会社経営に関する相当程度の知見を有しているため。 |
取締役会 13 / 13回 (100%) |
リサ企業再生債権回収(株) 取締役弁護士 金融庁 参与(審判官) |
取締役 福田 美詠子 |
企業の経営およびマーケティング部門に携わった豊富な経験と専門知識を有し、特に経営コンサルタントとして市場調査・分析・戦略策定に高い専門性を有しているため。 |
取締役会 13 / 13回 (100%) |
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監査役 蟹谷 勉 |
税理士として税務をはじめとした会社経営に関する専門知識と豊富な経験を有しているため。 |
取締役会 13 / 13回 (100%) 監査役会 19 / 19回 (100%) |
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監査役 川手 典子 |
公認会計士および税理士として会社の財務、会計における豊富な経験、実績と知見を有し、M&A・組織再編を中心に、事業継承コンサルティング・事業再生アドバイザーなどの業務にも精通しているため。 |
取締役会 13 / 13回 (100%) 監査役会 19 / 19回 (100%) |
いちご(株)社外取締役 住友ベークライト(株) 社外監査役 |
コンプライアンス
内部統制
ニチレキは、取締役による効率的な職務執行を確保するため、取締役会規則を制定して取締役会の権限・責任・運営の明確化を図っています。取締役会での決議事項や報告事項は、情報管理規程その他のグループ内規程に従って議事録として作成・保管され、取締役会にて決定された事項は、職務権限規程その他のグループ内規程に従って迅速かつ的確に執行される体制を構築しています。ニチレキグループは、各社の業務の適正を確保するため、グループ経営管理規程を制定し、経営理念に基づく経営管理体制を構築しています。この経営管理体制のもと、ニチレキはグループ各社に対して監査・経営指導を行うとともに、重要事項についてグループ各社からの協議・報告を受け、精査した上で承認をすることとしています。また、ニチレキは、ニチレキグループ全体の内部規程としてグループ内規程を定めるほか、グループ各社がニチレキの社内規程に倣った社内諸規程を定めること等により、グループ一体化を推進しています。ニチレキは、取締役会決議により「内部統制システムの構築に関する基本方針」(会社法が規定する業務の適正を確保するために必要な体制)を定め、制度改正や運用状況等に応じて、適宜、見直しを行っています。
内部統制システムの構築に関する基本方針
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取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
コンプライアンスについては、担当取締役を任命し、ニチレキグループのコンプライアンスの統括部署として法務・コンプライアンス部を設置するとともに、グループ内規程およびコンプライアンス・マニュアルを作成して、グループ全社にコンプライアンス・ルールの周知徹底を図ることとする。また、通報および相談窓口としてニチレキグループのネットワークに「ホットライン」を開設して、ニチレキグループの社員から直接、コンプライアンスに係る通報・相談や意見・提案を受け付けることとする。取締役は、ニチレキグループにおいて、法令違反その他コンプライアンスに関する重要な事実を発見した場合には、直ちに監査役に報告するものとする。監査役は、ニチレキグループのコンプライアンス体制に問題があると認めるときは、意見を述べるとともに、改善策の策定を求めることができるものとする。内部監査については、監査部を設置し、ニチレキグループについて、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全など内部管理の主要目的の達成状況を客観的、総合的に評価するとともに、課題解決のための助言・指導・是正勧告を実施するものとする。また、監査部は、必要に応じ、監査役および会計監査人と意見・情報交換を行うこととする。経営に係る法律上の諸問題については、顧問弁護士から専門的なアドバイスを受ける体制をとることとする。
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取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
取締役の職務執行に係る情報については、情報管理規程その他のグループ内規程または社内規程に従い、適切に保存および管理を行うものとする。
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損失の危険の管理に関する規程その他の体制
ニチレキグループの損失の危険については、グループ経営管理として、リスク管理に関する諸規程を整備するとともに、ニチレキの担当責任部署において、必要に応じ、規則・ガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの作成・配布等を行う体制とし、新たに生じたリスクへの対応が必要な場合には、取締役社長は速やかに対策責任者となる取締役を任命し、グループ全社に示達するものとする。また、リスクが現実化し、重大な損害の発生が予測される場合には、担当取締役は速やかに取締役会に報告することとする。
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取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
ニチレキは、グループ経営計画を策定し、毎事業年度ごとのグループ全体の経営目標および予算配分等を定め、グループの協力体制の推進および業務の効率的な遂行管理を行うものとする。ニチレキは、取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制の基礎として、取締役会を原則月1回開催するほか、必要に応じて適宜臨時に開催するものとし、会社の経営方針および経営戦略に関わる重要事項については事前に経営戦略会議において協議を行い、執行決定を行うものとする。取締役会の決定に基づく業務執行については、職務権限規程その他の社内規程に従い、適時的確に行われることとする。
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ニチレキおよび子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
ニチレキは、ニチレキグループにおける業務の適正を確保するため、グループ会社全てに共通するグループ経営理念を定め、これを基礎として、グループ内規程を定める等のグループ運営体制を整備する。また、グループ内規程として定めていない事項についても、グループ会社は、ニチレキが定める社内規程に準拠した社内規程を定めるものとする。グループ会社は、業務執行に係る重要事項についてニチレキに協議、報告等を行うものとする。ニチレキは、グループ経営管理体制を構築し、グループ会社に対して監査、経営指導を行うものとする。ニチレキからの経営管理、経営指導内容が法令に違反し、もしくはその他コンプライアンス上問題があるとグループ会社が認めた場合には、監査部または法務・コンプライアンス部に報告するものとする。監査部または法務・コンプライアンス部は直ちに監査役に報告するものとする。監査役は、取締役(取締役会)に対して意見を述べるとともに、改善策の策定を求めることができるものとする。
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監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項、当該使用人の取締役からの独立性に関する事項、当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査役は、内部監査部門である監査部および会計監査人と必要に応じ、意見・情報交換を行うことができ、また監査役の職務遂行に必要な調査、情報収集等の事項を監査役の判断で実施可能な体制にある。このため、監査役の職務を補助すべき使用人については、その必要が生じた場合に監査役の求めに応じて設置することとする。監査役の職務を補助すべき使用人は、監査役から指示を受けた業務については、専ら監査役の指揮命令に従わなければならないものとする。監査役の職務を補助すべき使用人の人事等については、事前に監査役と協議するものとする。
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ニチレキおよび子会社の取締役および使用人等が監査役に報告をするための体制
その他の監査役への報告に関する体制、
報告したことを理由として不利な取り扱いを受けないことを確保するための体制、
その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制監査役は、取締役会に出席するほか、経営会議、その他の重要な会議に出席することができるとともに、重要な決議書類等の閲覧、業務・財産状況の調査等を行うことができることとする。取締役および使用人は、重要な会議の開催予定を監査役に報告するものとする。ニチレキグループ各社の取締役、使用人およびグループ会社の監査役(以下「役職員」という。)は、ニチレキグループの業務または業績に影響を与える重要な事項、法令違反その他のコンプライアンス上の問題について、ニチレキの担当部署を通じ、または内部通報その他の手段により直接、ニチレキの監査役に報告するものとする。前記に関わらず、ニチレキの監査役はいつでも必要に応じて、ニチレキグループの役職員に対して報告を求めることができることとする。ニチレキは、ニチレキの監査役へ報告を行ったニチレキグループ各社の役職員に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取り扱いを行うことを禁止し、その旨をニチレキグループ各社の役職員に周知徹底する。ニチレキの監査役がその職務の執行について費用の前払い等の請求をしたときは、ニチレキの担当部署において審議の上、当該請求に係る費用または債務が当該監査役の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかにこれに応じるものとする。
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財務報告の信頼性を確保するための体制
ニチレキは、財務報告の信頼性を確保し、金融商品取引法の定めに従い内部統制報告書を有効かつ適切に提出するため、内部統制システムを構築して、その適正な整備および運用を行っていくものとする。
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反社会的勢力排除に向けた体制
ニチレキは、反社会的勢力による不当要求に対しては、組織全体として毅然とした態度で対応し、反社会的勢力とは取引関係その他一切の関係を持たないようにするために必要な体制を整備するものとする。
コンプライアンス
ニチレキは、法令を遵守することはもちろん、経済社会の構成員として、法令で定められていないような社会常識や良識等を守ることを重視しています。そこで、コンプライアンスを「法令遵守」よりも広い概念として理解し、社会から期待されていること等に対して、しっかりと応えていくこともコンプライアンスであると考えています。
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基本的な考え方
① ニチレキグループの全ての役職員は、コンプライアンスの推進に関して、「ニチレキグループ企業理念」および「個人行動指針」に則って行動することとします。
② ニチレキグループのコンプライアンスは、ニチレキの取締役の中から任命されるコンプライアンス統括責任者が推進します。
③ コンプライアンス統括責任者は、法務・コンプライアンス部を通してニチレキグループ内の拠点ごとに置くコンプライアンス責任者を指揮・総括し、ニチレキグループのコンプライアンス態勢の充実に努めます。 -
コンプライアンス推進体制
ニチレキグループのコンプライアンス体制につきましては、ニチレキの代表取締役社長が担当取締役をコンプライアンス統括責任者に任命し、担当部署として法務・コンプライアンス部を設置するとともに、ニチレキの部室店長およびグループ会社の社長をコンプライアンス責任者に任じ、グループ一丸となってコンプライアンスを推進する体制としています。法務・コンプライアンス部は、コンプライアンス統括責任者の指揮の下、ニチレキグループ全体のコンプライアンス推進業務を担当しています。具体的には、日常業務におけるコンプライアンス事案への対応に加え、ニチレキグループの役職員向けコンプライアンス研修の企画・実施、営業拠点等に対するコンプライアンス監査、グループ内の規程等の制定・改廃等の業務を担っています。コンプライアンス責任者は、自らが長を務める部室店や会社におけるコンプライアンス推進業務を担当します。具体的には、組織内のコンプライアンス状況の把握・管理、法務・コンプライアンス部が発するコンプライアンス情報等の周知徹底等を行っています。また、ニチレキグループでは、グループ内規程およびコンプライアンスマニュアルを作成して、グループ全社にコンプライアンスルールの周知徹底を図っています。グループ内規程は、コンプライアンス体制等について定めた「コンプライアンス規程」のほか、「内部通報規程」、「ハラスメント防止規程」、「独占禁止法遵守規程」等があります。これらの規程は、その重要性に鑑み、その制定・改廃はニチレキの取締役会決議に基づいて行っています。法令改正や社会的に問題となった事案があったような場合には、法務・コンプライアンス部にて速やかに規程案を検討し、取締役会に判断を仰ぐことにしています。例えば、2022年6月に改正公益通報者保護法が施行されましたが、この際には、取締役会において「内部通報規程」を全面的に刷新しました。
コンプライアンス推進体制図
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内部通報制度
ニチレキグループでは、「内部通報規程」に基づき、書面や口頭での相談・通報に加え、ニチレキグループのネットワークに「ホットライン」を開設し、グループ各社の役職員から直接、コンプライアンスに係る報告・相談や意見・提案を受け付けています。ニチレキグループは、このホットラインを中心に内部通報制度を整備することにより、不正行為等の早期発見と是正を図り、ステークホルダーの期待に応え得るコンプライアンス経営を実践していきたいと考えています。
ホットライン等の内部通報制度は、正社員だけではなく、パート、アルバイト、派遣労働者等を含む全ての役職員が利用することができます。また、退職者も、退職後の期間を問わず、内部通報制度を利用することができるようにしています。匿名による通報も受け付けており、内部通報者や調査協力者の探索・報復等の不利益な取り扱いを禁止するとともに、内部通報受付業務に従事する役職員に守秘義務を課し、通報者保護を図っています。ニチレキは、グループの役職員が内部通報制度をより利用しやすくするため、2023年8月より、守秘義務がある外部の専門家にも窓口を委託する等、さらなる改善に努めています。 -
コンプライアンス研修
ニチレキグループでは、法務・コンプライアンス部が企画し、実際の事例等も交えた実践的な社員向けコンプライアンス研修を定期的に実施しています。例えば、近年改正・施行されたハラスメント関連法令(労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法および育児・介護休業法)にグループ全体で対応するため、「ハラスメント防止規程」を全面改定したことを踏まえて、ニチレキ本社と各エリアに分けて、主として管理職向けにハラスメント防止研修を実施しました。また、商取引で重要な公正さ等を身に付けるため、弁護士等の外部の専門家が講師となる独占禁止法研修会も開催したり、知的財産権、インサイダー取引規制等を取り上げた研修を行ったりする等、ニチレキグループ社員のコンプライアンス意識の向上に努めています。
中長期目標
項目 2020年度実績 2021年度実績 2022年度実績 2025年度 2043年度 SDGs
マッピングコンプライアンス
社内研修会実施回数2回 2回 2回 2回 2回
リスクマネジメント
ニチレキは、リスクマネジメントを経営の重要課題であると認識し、重要なリスクを常時アップデートし、各種リスクへの対策やコントロール手段等が適切であるかの検討を日常的に行う必要があると考えています。そのため、リスクの性質等に即して担当部署を決め、日常業務としてリスクマネジメントに取り組んでいます。
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リスクマネジメントの基本方針
ニチレキグループの損失の危険については、グループ経営管理として、リスク管理に関する諸規程を整備するとともに、ニチレキの担当責任部署(総務部、法務・コンプライアンス部、安全品質環境部等)において、必要に応じ、規則・ガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの作成・配付等を行う体制としています。新たに生じたリスクへの対応が必要な場合には、代表取締役社長は速やかに対策責任者となる取締役を任命し、グループ全社に示達するものとしています。また、リスクが現実化し、重大な損害の発生が予測される場合には、担当取締役は速やかに取締役会に報告することとします。
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管理体制
財務、法務、災害等のリスクマネジメント状況については、担当責任部署(例えば、財務については財務経理部、法務については法務・コンプライアンス部、災害については総務部・安全品質環境部)が関連規程に基づき代表取締役社長および取締役会への報告を行っています。2023年3月の取締役会決議により「事業リスク管理委員会」を設置し、ニチレキグループが直面する可能性がある様々なリスクに対する管理体制の強化を図っています。
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主な事業リスク
ニチレキグループの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性が考えられる主な事業リスクとその対応については、以下に示します。ニチレキグループでは、主な事業リスクを抽出・分析し、各リスクへの対応策に関して検討を深めること等を通して、リスクの極小化や経営・財務への影響の抑制を図っています。
主な事業リスクと対応
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原材料価格および供給動向
ニチレキグループは、担当の生産部において、原材料の調達リスクについて随時モニタリングを行い、原材料の調達動向を、毎月、業務執行取締役により構成される経営戦略会議に報告し方針を決定する等、購買対策の推進や製品販売価格への転嫁等を早期に推進することができる体制を整備し、影響を最小限に留めるよう努めています。
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公共事業の動向
ニチレキグループは、財政事情による業績への影響を小さくするために、国や各地方公共団体が抱えるインフラ整備の課題の詳細分析に努め、「長寿命化・高性能化」、「環境負荷低減」などに資する製品・工法の設計・受注活動を推進し、主力である道路に加えて、空港・港湾・鉄道・公園等の分野でも需要を掘り起こし、市場の拡大を進めています。
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価格競争の動向
ニチレキグループは、高付加価値製品および工法の開発により価格競争による影響の緩和に努めるとともに、製造や施工に係るコスト削減に取り組み、価格低下による業績への影響を最小限に留めるよう努めています。
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信用リスク
ニチレキグループは、信用調査専門会社の活用や信用モニタリング会議の開催等を通して、取引に際して与信・債権管理を徹底し、信用リスクの軽減に努めています。
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カントリーリスク
ニチレキグループは、担当の海外事業部・中国事業部と法務・コンプライアンス部が協議して個別案件ごとに適切なリスク回避策を講じるとともに、海外事業の進捗状況やトラブルの有無、進出国の社会情勢や法律・規制の改定等を情報共有し、必要な対策を講じております。
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情報セキュリティ
ニチレキグループは、情報漏えい防止対策として、機密データのアクセス制限、持ち出し可能媒体の使用制限および従業員への情報セキュリティ教育を徹底しています。また、情報セキュリティ上の被害が発生した場合に備え、担当の情報システム部を中心として迅速に復旧にするための体制を構築するとともに、グループ全体を対象としたサイバー保険に加入しています。
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自然災害、感染症等のリスク
ニチレキグループでは、地震・台風等の自然災害や感染症発生に備え、担当の総務部が中心となり、BCP管理規程(事業継続計画管理規程)および防災対策規程といったグループ内規程を整備しています。また、従業員に対する自然災害時の安否確認システムを導入しています。災害等が発生した際には、「事業リスク管理委員会」の事業リスク責任者に情報を集約した上で、状況によっては、代表取締役社長を長とする災害対策本部を設置して対応に当たることにしています。
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法的規制等によるリスク
ニチレキグループでは、担当の法務・コンプライアンス部と安全品質環境部がコンプライアンスや安全衛生関係の教育をする機会を作り、グループ役職員への周知徹底を行う等、法的規制による行政処分等の発生リスク軽減に努めています。
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情報セキュリティ
経済産業省の「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)」(2022年7月19日)では、「多くの領域でビジネスがITと一体不可分のものとなり、企業経営や株主の投資判断においてデジタルの活用が進む中、コーポレート・ガバナンスにおいてもデジタルの活用を前提とした議論が重要になりつつあるという指摘もある」と記述されています。このように情報通信技術の活用は、利便性の向上や業務の効率化に寄与し、企業のガバナンス向上や競争力強化のために不可欠なものとなっています。ニチレキグループでも、情報システムの拡充を通して業務効率化に取り組むとともに、お客様に提供させていただくサービスにつきましても、例えば、クラウドを活用したICT搭載型ロードスタビライザによる新たな施工管理やスマートフォンによる道路点検システム「GLOCAL-EYEZ」のように、情報通信技術を活用したサービスを拡大させています。このように、情報通信技術への依存度が高まれば高まるほど、この分野特有のリスクは増大していきます。とりわけ、情報セキュリティ管理は、多くの企業にとって経営上の重要課題となっていると考えられます。こうした状況を踏まえ、ニチレキでは、「情報セキュリティ基本方針」を定め、グループ全体で情報セキュリティ管理の高度化に努めていくことにしています。ニチレキグループは、「情報セキュリティ基本方針」に基づき、ニチレキの取締役を情報管理統括責任者に任命するとともに、ニチレキの部室店長とグループ会社社長を情報管理責任者に任ずることとし、一元的に管理することができるよう情報セキュリティ管理体制を整備しています。また、これとは別に、ニチレキの取締役が情報取扱責任者となり、主として情報の開示、特に適時開示の対応等に当たることにしています。ニチレキグループは、「情報管理規程」等のグループ内規程類を整備した上で、社員研修や説明会等を通じて、ニチレキグループの役職員に情報セキュリティの周知徹底を図っています。
情報管理体制図
情報セキュリティ基本方針
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対象
対象となる「情報資産」は、ニチレキグループの事業活動において知り得た情報および保有する全ての情報とします。
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適用範囲
ニチレキグループの全ての役職員等に適用し、安全な業務運営と情報資産の保護に努めます。
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情報管理体制
ニチレキの取締役会の下に、取締役を「情報管理統括責任者」とし、全部門に展開した情報管理体制を構築します。
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グループ内規程類の整備
情報セキュリティを実施運用していくために、情報の取り扱い、情報システムの運用基準、情報システムの開発・導入基準、物理的セキュリティ対策、外部委託基準等を定めたグループ内規程類を整備します。
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内部監査の実施
グループ内規程類が適切に運用され、機能していることを検証するために、定期的に内部監査を実施します。
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セキュリティリテラシーの向上
役職員等のセキュリティリテラシーを維持・向上するための教育・訓練を継続的に実施します。
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環境変化への対応
ニチレキグループの事業領域や取り扱う情報資産、またICT(情報通信技術)環境の変化に柔軟に対応し、情報セキュリティ管理のルールや仕組みを見直していきます。